【執筆中】タロットと遊んで未来を創る(リアル宝探しゲーム編)※仮題

(占わない未来創造シリーズ1)

※この記事は、2025年1月に刊行予定の電子書籍(Kindle)の執筆原稿です。
 現在、校正に入っています。

  1. はじめに:モノクロームな日常をカラフルに彩る魔法
  2. 第1章:なぜゲーム? なぜタロットカード?
    1. 理想の未来は、過去の延長線上にない
    2. タロットの力で発想を柔軟にし、ゲームの力で習慣化する
  3. 第2章:朝1枚のタロットから、宝探しの1日が始まる
  4. 第3章:「リアル宝探しゲーム」の手順(まとめ)
    1. 手順その1:朝起きて、すぐにカードを引く
    2. 手順その2:引いたカードから「今日の宝探しのテーマ」を設定する
    3. 手順その3:ゲームを振り返る時間を持つ
  5. 第4章:ネガティブなカードから「宝探し」をするときのヒント
    1. 「塔」のカードが出たら
    2. 「死神」のカードが出たら
    3. 「悪魔」のカードが出たら
  6. 第5章:「リアル宝探しゲーム」をより面白く遊ぶための4つのコツ
    1. コツその1:自由に、楽しんで
    2. コツその2:宝のありか(テーマ)は、場所か、ジャンルか、人物か、行動か
    3. コツその3:テーマが目に付く環境をつくる
    4. コツその4:宝物リストをつくる
  7. 第6章:トレジャー・ノートでお宝を守り増やす
    1. トレジャー・ノートの必須項目
    2. トレジャー・ノートに必要に応じて追記する項目(任意)
    3. トレジャー・ノートの記入例
    4. さらに慣れてきたら、4行日記バージョンもお勧め
    5. トレジャー・ノートを読み返す
      1. よく出るカードの傾向を知る
      2. テーマ設定のクセを見る
      3. 見つけた宝物の傾向を見る
    6. トレジャー・ノートづくりで一番大切なのは、続けること
  8. おわりに

はじめに:モノクロームな日常をカラフルに彩る魔法

あなたにもこんな経験はありませんか?

毎日が、ただ忙しいだけで終わっていく。夜になってふと気が付くと、「私は今日1日何をしていたんだろう?」と空しくなってくる。

また、こんな経験をされているかもしれません。

毎日が、何となく過ぎていく。プチ楽しいことは時々あるけど、ダラダラと目的もなく、「いつもどおり」を繰り返す毎日。なんか、面白いことないかな~

中には、こんな方も。

新しいビジネスのアイデアを考えるように言われるけど、どうもありきたりで。AIに聞いたりしても、普通の答えしか返ってこない。いいアイデア降ってこないかな~

そんなあなたには、今すぐ役立つ魔法のスパイスをお試しください!

このスパイスが日常にかかると、モノクロにしか見えなかった世界も色鮮やかに変化します。

魔法のスパイスになるのは、なんと、タロットカード!

タロットカードといえば、ほとんどの人が「占い」で使ったり、「運勢」を鑑定する道具だというイメージを持っておられると思います。

絵柄が独特で、「神秘的」とか「どこか怖い」「難しそう」という印象を持っておられる方もいらっしゃるでしょう。

実際に、タロットカードは占いや運勢を見る時に使われることがほとんどですし、難解さや神秘性も持っています。

でも、ここでご紹介するのは、占いや運勢、未来予知などとは全く違う使い方です。

自分自身に対して「新しい視点」「新しい発想」をインストールして、日常を生き生きと、冒険のように楽しむ。その効果的な道具としてタロットを使ってみませんか?

本書ではそんなタロットの新しい世界にあなたをお誘いします。そして、タロットと友達になって、これまでと全く違った未来を創造しませんか?

必要なものは、好奇心と、ほんの少しの勇気だけ。

気楽に、気軽に、1歩を踏み出してみてください。

新しい世界へようこそ!

※お急ぎの方は、手順をまとめた第3章をご覧ください。

※本書で使用するカードは、「ウェイト版」と呼ばれるデッキ(セット)です。
19世紀にアーサー・エドワード・ウェイトさんが企画し、パメラ・コールマン・スミスさんが描いたもので、世界中で一番メジャーな絵柄だと言われています。
本書に掲載する画像は、Wikipediaにアップされているパブリックドメインのカード画像です。このような貴重な資料を公開いただいている関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

※実践では、他のデッキを使われても問題ありませんし、もっと言えば、カードをお持ちでない方でも大丈夫です。スマホからランダムにタロットカードを見られるような占いアプリでも構いません。

第1章:なぜゲーム? なぜタロットカード?

本書では、タロットカードを道具にして「リアル宝探しゲーム」をする方法をご提案しています。

では、なぜゲームなのか、なぜタロットなのかといったお話を少しさせていただきます。

理想の未来は、過去の延長線上にない

「あんなことがしたい」「あんな風になりたい」という理想があるとき、視線は未来を向いています。そして、未来の理想と現実とのギャップを埋めるために行動することで、理想へと近づいていきます。

一方で、理想を持たない場合は大きく2つのパターンに分かれます。

一つは、目の前のことを繰り返しやり遂げて、積み上げにより成長していくパターン。未来に目標を設定してギャップを埋めていくのがトップダウン型だとすれば、積み上げていくのはボトムアップ型になります。日本人にはトップダウン型よりもボトムアップ型のほうが多いと言われますが、どちらにしても、過去に視線は向いていません。

理想を持たないパターンのもう一つは、過去にとらわれてしまっているケースです。過去にとらわれてしまうと、そこから身動きがとれなくなります。

つまり、理想の未来は、過去の延長線上には存在しないのです。

そして残念なお知らせですが、人は過去にとらわれやすい性質を持っています。

ここでひとつ実験をしてみましょう。まず、次の画像をご覧ください。花瓶に花が生けられていますね。

では次に、もう1枚、画像をご覧ください。

何が見えましたか?

正解は、「2人の横顔のシルエット」です。

これは、一つの絵が2通りに見える多義図形(たぎずけい)です。白い杯(さかずき)だけでなく、よく見ると「2人の横顔のシルエット」も見えますよね。

デンマークのエルガー・ルビンさんという心理学者が発表した絵をベースにしたもので、このような絵は「ルビンの壺」として有名です。

少し強引な見せ方ではありましたが、この実験から言えることは、「人は過去にとらわれやすい」ということです。最初に見たイメージに引っ張られるので、すぐに頭を切り替えて横顔を見出すのはかなり難しいです。

また、横顔と杯を同時に見ることが難しく、どちらか一方だけの思い込みに陥りやすいことも理解できるでしょう。

こうした過去の呪縛から脱出するには、何か強力な推進エンジンが必要であり、その力になってくれるのが、ゲームとタロットカードなのです。

タロットの力で発想を柔軟にし、ゲームの力で習慣化する

タロットカードには、エモーションを掻き立てる何かがあります。とても印象に残る不思議な絵ですし、見ていると心の水面に波風が立つような奇妙な感覚を覚えます。

過去の延長線上で世界を見たり発想するだけでは成長や発展はありませんが、タロットカードの絵柄を手掛かりにして多様な視点で考えたり発想を柔軟にしたりすることで、未来を自ら創造できる可能性が高まります。

前節の実験に即して言えば、タロットが、最初の画像(花が生けられた花瓶の画像)としての役割を担います。タロットの象徴から新しいヒントを得ることで、次に見る画像(ルビンの壺)は、また違った見え方になるでしょう。

そして、この一連のチャレンジをゲームに見立てることで、チャレンジのハードルが下がります。楽しさや達成感も味わいやすくなりますし、結果として長続きしやすくなります。

第2章:朝1枚のタロットから、宝探しの1日が始まる

朝1杯のコーヒーを飲むと、眠気もスッキリして「今日もがんばろう!」と前向きになれますよね。同じように、朝1枚、タロットカードを引くと、あなたの1日はまったく新しいものに変わります。

たとえ毎日の生活がパッとしないものだったとしても、タロットカードがリアルな「宝探しゲーム」の起動スイッチになります。

ゲームのやり方はとても簡単です。

朝起きたら、78枚のカード(初心者の方は、「大アルカナ」と呼ばれる22枚のカードだけでも大丈夫)の中から、1枚を引いてみるだけです。

これまでにタロット占いの本を読まれたり講座で学ばれたりした方は、もしかしたら「お作法」などが気になるかもしれません。

・場所は寝室がいいのかな?リビングがいいのかな?

・どんな種類のカードを使ったらいいのかな?

・カードは何回シャッフルしたら(切ったら)いいの?

・何回混ぜたらいいの?右回り?左回り?

・上から何枚目のカードを引く?

・いや、もしかしたら下から引くの?

・逆位置のとき(絵柄が逆さまに出たとき)はどうしたらいい?

・怖そうなカードが出たらヤバいのかな…

など、など、など、など。

でも大丈夫です。何をしても正解です。

適当に混ぜて、どの位置からでもかまいませんので、適当にカードを引けばいいです。なんなら、シャッフルしなくても問題ありません。

決まったルールは何もありませんし、恐ろしいことは何も起きません。場合によっては、物質としてのカードさえなくてもいいかもしれません。

今ならスマホでタロットカード占いができたりしますよね。

スマホで出てきたカードをもとにして宝探しゲームを始めても全く問題ありません。

あなたが決めたこと、あなたがとった行動、その全てが正解です。

タロットカードは、本来、それだけ自由なものです。

(そんなタロットを、占いの世界だけにとどめておくのって、もったいないと思いませんか?)

さて、そうやって出てきた1枚のカード。それが、今日1日のあなたの宝探しのテーマです。

何が描かれているでしょうか?

人物、向き、風景、記号、数字、アイテム…

色はどんな色?

全体の雰囲気はどんな感じ?明るい?暗い?

78枚のカードには、人生の、あるいはこの世界の、様々な局面が切り取られ、それを象徴する絵が描かれています。とてもイメージを膨らませやすいツールです。

人物やアイテム、色などに着目してもいいですし、カードそのものの意味に着目しても構いません。

着目したものからイメージを広げて、独自の発想・極端な妄想を展開しても何の問題もありませんし、誰からも文句を言われる筋合いはありません。

たとえば、タロットカード1番「魔術師」が出た場合を考えてみましょう。

「魔術師」は、テーブルに何やら並べて、天と地を指さしています。

頭には数字の8を横にしたような「無限大」のマーク。白い服の上に、赤いガウンのようなものを羽織っています。

これらの中から、たとえば無限大マークに着目してみたらどうでしょう?

ぐるぐる回って循環するイメージ。

それなら、今日は環状線に乗って、その中で宝物を探してみようとか、数字の「8」に着目して探してみようとか、無限大マークの色が金色だから、何か金色のアクセサリーを身に着けてみようとか、そんなのでもぜんぜん構わないです。

カードの意味をヒントにするのもいいですね。

「魔術師」のカードの意味としては、「開始」「意志の力」「やる気」などがあります。ここから発想して、今日新しく始めることの中で宝探しをしてもいいわけです。

このように、毎朝1枚のカードから何らかのヒントを得て、意識したり実際に行動してみることで、これまでとは全くちがった景色が見えるようになります。

たとえば朝1杯の温かいコーヒー、たとえば澄み切った青い空、たとえば公園から聞こえる鳥のさえずり、たとえば大好きなことに熱中している時間…あなたはそこに、どんな宝物を見つかるでしょうか?

夜になったら、その日1日、どんな宝物を発見したかを振り返ってみてください。

1日1つしか宝物が見つからなかったとしても、たった1週間で、7通つの新しい宝物を発見したことになります。

一つ一つの出来事や行動は小さいかもしれませんが、これが1週間続いたらどうなると思いますか?

そして、発見が発見を生んで、また次の展開につながる。気が付いたら、それまでの延長線上にあった日常とはまったく違う世界に立っていることに驚かれるかもしれません。

一方で、全く宝物が見つからない日があったとしても、何の問題もありません。そうやって宝探しを意識して過ごした1日そのものに価値がありますので。

あなたもぜひ試してみてください。

第3章:「リアル宝探しゲーム」の手順(まとめ)

この章では、第1章でご紹介した「リアル宝探しゲーム」の手順を整理しつつ、なぜ効果があるのかについてご説明します。

手順その1:朝起きて、すぐにカードを引く

一つ目は、朝起きてから、すぐにカードを引くということです。

ちなみに、カードは、大アルカナ22枚だけを使うのでもいいですし、小アルカナ54枚を加えたフルデッキ76枚でもどちらでも構いません。

朝起きて「やろうかな、どうしようかな」と思いつつズルズル取り掛かりが遅れて、出かける直前に慌ててカードを引く。

そのやり方でも悪くないですが、カードを引く時間帯やタイミングを決めておくほうが、習慣になりやすいのでオススメです。

自分のルールとして決めておけば、朝一番でなくても、歯を磨いた後にカードを引くというのでもいいでしょう。

これは「IF-Thenメソッド」と呼ばれる習慣化のメソッドです。

「もし(IF)、Aという行動をしたら、(Then)Bという行動をする」というように条件を決めて、脳に余計な負荷をかけずに行動しやすくするといいです。

手順その2:引いたカードから「今日の宝探しのテーマ」を設定する

朝に引いたカードから、今日のテーマを見つけ出します。
テーマを決めると、その部分に意識が向きます。

心理学では「カラーバス効果」と呼ばれるものです。
たとえば、「黄色」をテーマにすると、黄色いものに自然と意識が向かうようになります。
スーパーではオレンジやパプリカに、道路では道行く人の黄色いバッグや黄色い車、テレビでは出てくる人の黄色いアクセサリーに注目することもあるでしょう。

脳科学的には網様体賦活系(RAS: Reticular Activating System)のフィルター作用として説明されます。
まず、「黄色」を意識したことに対して、脳がその情報を重要だと認識します。
すると、RASが、周囲のたくさんの情報にフィルターをかけて、「黄色」に関係する情報を優先して選び取るようになります。
そうすると、「黄色」に関係する情報が意識に繰り返し登場しやすくなります。

すると、周囲は何も変わっていないのに、自分の意識で「黄色」の情報が増えたように感じていきます。

このような現象を利用して、宝探しにテーマを設定し、そこに意識を向けると、宝物が見つかりやすくなるのです。

手順その3:ゲームを振り返る時間を持つ

3点目は、毎日の「宝探しゲーム」の結果を振り返ろう、ということです。

できれば寝る前がいいでしょう。

今日1日、どんな宝物が見つかったか、どんな気づきや発見があったのかなどに思いを馳せると、満足度がアップします。

そして、似たような出来事や同じような気持ちになったことが他にもないか、思い返して追体験すると、あなたという存在の中に、宝物がどんどん増殖していく感覚を味わうことになるでしょう。

第4章:ネガティブなカードから「宝探し」をするときのヒント

前の章ですこし宝探しの事例をお話ししましたが、この章では、どのようにして「宝探し」のテーマやヒントを導き出すか、他の事例をもう少し見ていきましょう。

ネガティブに解釈されるカードを重点的に見ていきますが、これは、ネガティブなカードが決して悪いことばかりではない、というのを理解していただきたいからです。

「塔」のカードが出たら

「塔」のカードは、災害・トラブルや驚くべき出来事を象徴しています。
でも、ご安心ください。何か事故が起きるとか災いが降ってくると考える必要はありません。

カードの意味から宝探しをする時は、「これまでの思い込みが打ち砕かれる」「新しいアイデアが降ってくる」というような視点で探していくとよいでしょう。
このードが出たときは、過去や現在にとらわれず、新しいことや革新的なところで宝が見つかるかもしれません。

たとえば、食べたことのなかった食材を料理してみたり、職場や学校で話したことがなかった人と話したり、これまで聞いたことのなかったジャンルの音楽を聞いてみたり、思いつきで行動してみたり、そんな小さなことの中に発見が潜んでいるのです。

「死神」のカードが出たら

「死神」のカードは、破壊と再生を象徴しています。
こんなのが出たら、ゾッとするかもしれません。嫌な気持ちになるかもしれません。でも、大丈夫です。ご安心ください。

カードの意味から宝探しをする時は、「何かが終わって、次の新しい展開が始まる」という視点から探していくのもいいでしょう。
死ぬのは生命ではなくて、もう要らなくなった何かです。

お茶が欲しくても、コップの中に水が入ったままだとお茶を注ぐことはできません。
水を捨てるか先に飲んでしまうかしないと、お茶は手に入りません。
他には、別のコップを探してくるというのでもいいのかもしれません。

それと同じように、冷蔵庫の中を整理するとか、クローゼットの中を整理してスペースを空けるとか、ダラダラと続けているサブスクを解約してみるという経験の中を探してみるのもいいでしょう。

「悪魔」のカードが出たら

「悪魔」のカードは欲望や快楽、現世利益を象徴しています。
カードを見ると、2人の男女はその気になれば抜け出せそうな感じです。物理的には動こうとすれば動けるのに、心のほうが囚われてしまっているのかもしれませんね。
悪魔と思われる中央の動物は、でもどこか愛嬌も感じられます。

このカードの意味から宝探しをする場合は、ハマっていて抜け出せない何かを意識するだけでもいいでしょう。

たとえば、甘いもの、アルコール、コーヒーなどの食べ物系、ギャンブルとかパチンコとかレジャー系、逆にダイエットとか筋トレとか、いいものとされていることに対しても、ハマっているという状況はあるかもしれません。

全く気付いていなかったことも、意識に上げてくれば、必ずそこから何かの変化が生まれます。
変化にも、気持ちの変化、出来事の変化、大きいもの、小さいもの、いろいろなものがありますが、その感受性を育てることで、宝探しゲームは一層面白くなってくるのです。

第5章:「リアル宝探しゲーム」をより面白く遊ぶための4つのコツ

リアル宝探しゲームを楽しむには、いくつかのコツがあります。
主なものを見ていきましょう。

コツその1:自由に、楽しんで

タロットカードには正解も間違いもありません。

世間一般に言われている解釈はありますが、必ずそれを採用する必要もありません。

参考にしてもいいですが、縛られる必要はありません。

逆に縛られても問題ありません。

それだけ、タロットは自由なものです。

正解かどうかは、あなた次第。あなたがカードの解釈を正解にするかどうかです。

誰にも気兼ねはいりません。

たとえば、18番「月」のカードを考えてみましょう。

暗い夜の世界で、オオカミと犬?が月に向かって吠える。深い池からはザリガニのようなものが這い上がってきて、空の月は何か悩みでもあるかのように嫌そうな表情を浮かべている。

一般的にはネガティブなカードに位置づけられると思いますが、この絵柄は完全な暗黒でもなく、救いもある。夜行性の生き物にとってもパラダイスです。抑圧されていた気持ちに気づくとか、本当の思いがわかるとかポジティブに考えることもできるでしょう。

あなた自身が正解だと決めること、あるいは、あなたが決めたことを正解にする、という点に価値があります。

そうやってものの見方が変化する驚きと楽しさを体験してみてください。

コツその2:宝のありか(テーマ)は、場所か、ジャンルか、人物か、行動か

テーマ設定は、宝がどこにあるのかという当たりをつけるために大事な要素です。

テーマが思い浮かばないときには、職場・学校などの「場所」なのか、料理・レジャーなどの「ジャンル」なのか、家族・友人・同僚などの「人物」なのか、それとも断捨離をする・アクセサリーを身に着けるといった「行動」なのか、分けて考えるとわかりやすくなるでしょう。

「黄色」というテーマであっても、単に「黄色」そのものを意識するだけではなく、職場で黄色いものを見つけるとか、黄色いものを捨てる行動をとるとか、より具体的にすると、宝物が見つけやすくなります。

コツその3:テーマが目に付く環境をつくる

人は毎日、1万2千回から6万回も思考するといわれています。
毎日あれこれ忙しく考えているので、テーマをつい忘れてしまうこともあります。

そこでおすすめなのが、目に付く場所にテーマを散りばめることです。
その日引いたカードを持ち歩くのもいいでしょうし、カードを撮影してスマートフォンの待ち受け画面にしてしまうのもいいでしょう。

もし「黄色」がテーマなら、黄色いアクセサリーを目に付くところに付けてもいいですね。

コツその4:宝物リストをつくる

ゲームを振り返るときに、メモやノートを使うと、さらに面白さが広がります。

書く、記録するという行為を通じて、記憶が定着したり、そこから新しい宝物が見つかったりします。

何よりも、宝物がいっぱい並んでいたら、嬉しいですよね。読み返すだけでニヤニヤしてしまいます。

日付、引いたカード、テーマ、見つけた宝物。これらは必ずリストに書いておくと役立ちます。

以上の4つのコツも意識しながらゲームを楽しんでみてください。

第6章:トレジャー・ノートでお宝を守り増やす

「リアル宝探しゲーム」であなたが日々発見した宝物は、誰にも奪われることのないあなた自身の貴重な財産です。

でも、単に集めて放置しておくだけでは、時がたつにつれてガラクタになってしまったり、腐ってなくなってしまったりすることがあるかもしれません。

せっかくなので、宝物をいい状態で残しておきたいですよね。
しっかりとした倉庫や冷蔵庫で保管したいですよね。

そんな場合に威力を発揮するのが、「トレジャー・ノート」です。

「何?なんかスゴそう」って思いましたか?

残念ですが、ただのノートです。でも中身は、自分史上最高のお宝になるはずです。

前章の最後で、「宝物リストをつくる」ことをお勧めしました。

「トレジャー・ノート」は、この宝物リストの豪華版です。

最低限必要な要素と、あったら嬉しい要素とがあります。

特に最初の慣れないうちは、最低限必要な要素だけ書いて、もし無理なく続けられるようでしたら、追加の要素を書き加えていってください。

トレジャー・ノートの必須項目

「トレジャー・ノート」と言っても、特別なノートを使う必要はありません。

普通のノートで構いませんので、次の項目を書き込みましょう。レイアウトは自由です。

紙のノートでなくても構いません。手書きでも、キーボード入力でもお好みでどうぞ。

・日付

・引いたカード

・テーマ

・見つけた宝物

前章でお勧めした宝物リストと同じ内容ですね。

トレジャー・ノートに必要に応じて追記する項目(任意)

上記の必須項目に加えて、次のような項目を書き込んでみましょう。

・出来事

・感じたこと

・良かったこと

・悪かったこと

・気づいたこと

・面白かったこと

・その他

トレジャー・ノートの記入例

日付:2024年12月19日

引いたカード:戦車

テーマ:自動車に注目!

見つけた宝物:名前も知らない誰かが私を助けてくれている

気付いたこと:近くのコンビニで、配送のトラックが荷下ろしをしていた。ああ、そうか。トラックがこうやって運んでくれるから、店には欲しい時に欲しい商品が揃っているんだな

さらに慣れてきたら、4行日記バージョンもお勧め

「4行日記」とは、教育学博士・経済学博士の小林恵智さんが提唱された日記のフォーマットです。

たった4つの項目を書くだけなので簡単で長続きしやすいですし、シンプルなのに思考の抽象度を高めたり、なりたい(ありたい)自分に近づいていけるので個人的にはすごくお勧めできるフォーマットです。

4行日記では、次の項目を書きます。

1.事実:1日を振り返って出来事を書く
2.発見:事実からの気づきを書く
3.教訓:発見から得られたことを1段抽象度を上げて書く
4.宣言:自分がありたい姿を宣言する「私は◇◇をしている〇〇です」

この4行日記のフォーマットをトレジャー・ノートに転用すると、たとえば次のようになります。

1.事実:「戦車」自動車に注目!
2.発見:トラックが運んでくれるから、お店で買い物ができる
3.教訓:名前も知らない誰かが私を助けてくれている
4.宣言:私は、人知れず誰かを助けている人間です!

トレジャー・ノートを読み返す

トレジャー・ノートは、時々読み返すとリアル宝探しゲームの楽しさが倍増します。

お宝リストを眺めてニヤニヤするだけでも十分いいですが、次のような視点で読み返すと、もっと活用することができます。

よく出るカードの傾向を知る

同じ絵柄が出る確率は、どのカードでも一緒なはずなのに、不思議とカードが偏ることが多いです。続けていると、よく出るカードというのがでてきます。

それが何なのか、また、絵柄が違っていても、四大元素のうちどの要素(地・水・火・風)に偏っているのか、あるいは、どの数字に偏っているのか。

そうした傾向を見ていくと、新しい発見につながることがあります。

たとえば大アルカナ4番「皇帝」、19番「太陽」や、小アルカナ「棒(ワンド)」が良く出るとすれば、それは火のエレメントが強く表れていることになります。火の要素は、情熱や意志力を象徴していて、何か自分の中の強い思いというのが反映しているのかもしれません。

テーマ設定のクセを見る

宝のありかを示すテーマ設定にも、あなたがよく設定しているものと、あまり設定していないものに分かれることが多いです。

「場所」、「ジャンル」、「人物」、「行動」などのカテゴリーで、どれが多くてどれが少ないのかを調べてみましょう。

設定が少ないカテゴリーがあれば、次回から重点的に少ないカテゴリーを使ってみましょう。

リアル宝探しゲームが面白くなくなる原因の一つは、マンネリ化です。似通ったカテゴリーを意識的に避けることでマンネリ化を防げたら、面白さを持続させることができます。

見つけた宝物の傾向を見る

どんな宝物を集めてきたか、傾向を見てみましょう。

ここでは特に、「自分軸」ー「他人軸」の2つの視点で確認するとよいでしょう。

他人が関係していて、自分の思いや意思でどうにもならないことが宝物にたくさん入っていたら要注意です。

たとえば家族に何かしてもらったとかプレゼントを貰ったとか。それ自身はなにも悪いことはないのですが、あまりにも特定の人のことが多ければ、それは、あなたがその人に依存している状態を示しているのかもしれません。

人を頼るのは悪いことではないですが、人に左右されすぎて自分がコントロールできない中で得られる宝物は、未来に向けて持続的とは言えません。

ですので、できるだけ自分自身のコントロールで見つけ出せる宝物を増やしていくようにしてくださいね。

トレジャー・ノートづくりで一番大切なのは、続けること

色々と書いてきましたが、じつはトレジャー・ノートづくりで一番大切なことは、続けることです。

大事なことなので、タイトルと同じことを本文でも書いてしまいました。

続けるためには、気軽に始めて、完璧を求めないことです。中断しても、すぐに再開しやすいレベルでOKを出してしまうことです。

色を使ったりシールを貼ったりイラストを描いたりして、見た目で楽しくするのも有効です。

おわりに

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

本書では、自分自身に対して「新しい視点」「新しい発想」をインストールして、日常を生き生きと、冒険のように楽しむ手段の一つとして、占いではないタロットカードとの付き合い方をご紹介しました。

自由に、楽しく取り組んでいただければいいのですが、それでも、方向性がわからないという方もいらっしゃいましたので、今回は「リアル宝探しゲーム」というコンセプトをご提案してみました。

簡単に、気軽に始められるので、明日と言わず、今日からでも試していただけると嬉しいですし、ご自身の軸をしっかり持って、未来の創造につなげていただけると幸いです。

じつは、タロットカードというのはとても面白くて、宝探しゲームのほかにも色々な用途に使えます。本書の続編でそのような他の使い方をご紹介したり、関連するイベントも計画していますので、楽しみにしていてください。

私には、これまで学んだり経験したことを、何か役に立つ形で発信したいという思いがありました。

でも、インターネットや書籍など、世の中にはタロットカードの情報が溢れかえっています。どれも有益なものですし、改めて私が何か伝られることがあるのだろうかという疑問もありました。

そんな中、KindleやUdemyの講座など、何らかのコンテンツを出そうとする人達の助け合いのコミュニティ「コンテンツクリエイターズクラブ」に参加し、コンテンツ発信が当たり前の環境に身を置くことで、Kindle出版をすることができました。

他人から見れば、とてもささやかな達成かもしれませんが、これまでインプット専門だった私自身が、世界観をつくり変えて、Kindle出版という未来の創造につながったのは大きな変化です。

「コンテンツクリエイターズクラブ」主宰のりゅーさんをはじめ、一緒にチャレンジし、応援してくださったメンバーの皆様に、心から感謝申し上げます。

そして私も、本書を読んでいただいたあなたのチャレンジを心から応援しています!

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